頭痛外来
頭痛は生命が鳴らすサインであることもあります。頭痛外来ではまず、脳卒中や脳腫瘍など重篤な疾患の兆候(二次性頭痛)でないかを鑑別することから始まります。これらの重い病気が隠れていないこと(一次性頭痛)が確認でき次第、痛みの治療が始まります。一次性頭痛の主な原因は下記のとおりです。
�@緊張性頭痛
�A片頭痛
�B群発頭痛
これらの疾患ではそれぞれ筋弛緩剤やトリプタン系薬剤が効く場合も多いのです。また再発予防のために鼻腔内の清掃が必要で、併設の耳鼻咽喉科で鼻うがいなどを指導いたします。しかしこれらの頭痛はときに難治性であり、その場合ボツリヌス療法が効果的であることもあります。自由診療になりますのでご相談下さい。また、上記以外に後頭神経痛による頭痛も多く、神経ブロックが著効します。
もの忘れ外来
もの忘れの三大疾病は下記のとおりです。
�@アルツハイマー型認知症
�Aレビー小体型認知症
�B脳血管性認知症
これらの認知症は、ともに身体状況を整えることにより発症を遅らせたり、進行を遅らせたりすることも可能です。三大疾病ともに薬物療法が有効ですが、少しずつ薬の使い方が違います。使い方を間違えると認知症が進行したり暴力的になったりすることもありますので、鑑別後の的確な薬物治療が必要になります。
また、上記認知症に特発性正常圧水頭症が隠れていることがあります。髄液を採取することにより診断可能ですが、脳MRIでも診断できます。腰から髄液を抜く手術により
1)もの忘れ、2)尿失禁、3)歩行障害が急激に改善する例もあります。
脳卒中外来
脳卒中にならない身体を作るためには、日頃の健康管理が重要です。高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病を確実に治療する。これだけでは脳卒中を予防することはできません。今や脳卒中の75%が脳梗塞でその30%が不整脈から起こります。しかもこの不整脈による脳梗塞はノックアウト型脳梗塞ともいわれ、非常に大きな脳梗塞で重大な後遺症を残します。これを予防するためには従来とは違うタイプの血液サラサラの薬を服用する必要があります。脳卒中は予防、早期発見がuseful lifeを送るためにも非常に重要です。
また、当院では脳卒中で片麻痺などの後遺症のある方の疾病管理、身体管理も行っています。麻痺のある手足がつっぱる、痛い、固まるといったいわゆる痙縮のある方にボツリヌス治療を行っています。痙縮に対するボツリヌス治療は断層超音波による場所の同定、ボトックス量の調節で全く改善の度合いが異なります。数百例の経験のある当院担当医師にご相談下さい。
痙縮外来(ボトックス外来)
痙縮(けいしゅく)について
脳卒中の後遺症としてみられる運動障害の一つに痙縮(けいしゅく)という症状があります。 痙縮とは、意思とは関係なく筋肉の緊張が高まり、手や足が勝手につっぱったり曲がってしまったりしてしまう状態のことです。痙縮では、手の指が握ったままで開きづらい(清潔にしにくい)、肘が曲がり伸びづらい(着替えなどしにくい)、足の先が足の裏側の方へ曲がってしまう(歩くと痛い、装具がつけにくい)などの症状がみられます。痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限されてしまう拘縮(こうしゅく)という状態に陥り、ご本人やご家族の日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。また、痙縮そのものがリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮を治療することによりリハビリテーション(ストレッチ含む)がしやすくなります。 |
痙縮の治療について
痙縮の治療には、内服薬、ボツリヌス療法、神経ブロック療法、外科的療法、バクロフェン髄注療法などがあります。実際,痙縮の程度や範囲、患者さんの希望などを考慮し、リハビリテーションとこれらの治療法を組み合わせて痙縮の治療を行います。
ボツリヌス療法について
ボツリヌス療法とは,ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、痙縮の改善を図る治療法です。 ボツリヌストキシンを筋肉内へ注射すると、筋肉の緊張をやわらげ、痙縮を改善することができます。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。 |
ボツリヌス療法の効果について
ボツリヌス療法によって、次のような効果が期待できます。
�@手足の筋肉がやわらかくなり、曲げ伸ばしがしやすくなることで、日常生活動作の制限が軽減されます。(手を洗いやすくなる、装具がつけやすくなる、くつが履きやすくなる、など)
�Aリハビリテーション(ストレッチ含む)を行いやすくなります。
�B関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます(拘縮予防)。
�C痛みをやわらげる効果が期待できます。
�D介助の負担を軽減することが期待できます。(着替えの補助、衛生ケアがしやすいなど)
ボツリヌス療法の進めかたについて
まずは診察をし、治療方針と目標を設定します。ボツリヌス療法の効果は、注射後2-3日目から徐々にあらわれ、通常3-4ヶ月間持続します。その後、数週間で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。ただし、治療効果や持続期間には個人差があるので、医師と相談をしながら治療計画を立てていきます。
ボツリヌス療法の具体的な治療方法について
細い針で数か所、緊張をゆるめたい筋肉に注射をします。治療時間は約20分から30分くらいです。
ボツリヌス療法の副作用について
ボツリヌス療法を受けた後に、副作用として以下のような症状があらわれることがまれにあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合には、医師に相談してください。
�@注射部位が腫れる、赤くなる、痛みを感じる。
�A体がだるく感じる、力が入りにくい。
ボツリヌス療法の治療費について
当院で行う上肢・下肢痙縮の治療は保険が適応されます。通常1割〜3割負担で治療が受けられます。注射を行う部位や、範囲によって費用が異なります。また公的支援制度の助成により、ご自身の負担が軽減出来ることもあります。